2023年

2023年度静岡実行委員会表彰式及び作品

偉大な先人である吉田兼好の格言「家のつくりようは夏をもって旨とすべし」とは、日本は自然に大きく依存した生活が出来る恵まれた環境にあることの裏付けと考えます。特に私たちが暮らす静岡は穏やかな四季を持ち、自然の懐にどっぷり浸かった生活が出来ます。自然とは戦うのでも克服するものでもなく、その中で生かされているものとの考えを持てる地です。近年、地球温暖化の影響から酷暑の夏が続き、その対策としてクーラーが効いた部屋で過ごすことが多くなってきています。このことは自然との隔離に繋がらないか気を揉みます。日本は夏には大きく敷居を開け、暑い中でも自然に身を委ねられる地でした。
そんな中、今回の「地球さんご賞しずおか作文コンクール」への応募作品167点には自分の身の回りに起こっていることから、小中学生達が自然の変化を敏感に捉え、自然の恐ろしさも理解しつつ、自然環境を守って行くことの大切さを訴えてくれたことにホッとした安心感を得させていただきました。
みなさんはこれからも自然の伝道師として、日々の自らの行動、家族の一員としての行動、社会の一員としての行動を取っていただけるものと信じています。
素晴らしい静岡、日本、そして地球をみんなで守り、暮らしていきましょう。
最後となりますが、静岡での本事業の立ち上げと作品募集にご支援いただきました静岡県教育委員会、各地域教育委員会及び小中学校、活動趣旨に賛同いただきました県内協賛企業に厚く御礼申し上げます。また、受賞作品の小中学生達の思いを視覚的に大きく広げてくれた挿絵を制作していただきました常葉大学造形学部、静岡デザイン専門学校、県立富士宮東高校、県立清水南高校の学生又は生徒の皆さんに深く感謝いたします
〜地球さんご賞しずおか委員会会長 増田 和三様のご挨拶〜



受賞作品

※受賞者名をクリックするとその作文に移動します。

入選【小学生低学年の部】

氏名作品名所属
大石 しゅうや田んぼの生きもの牧之原市立相良小2年

最優秀賞【小学生高学年の部】

氏名作品名所属
坂田 和花奈給食のストローをなくしたい!袋井市立袋井東小6年

優秀賞【小学生高学年の部】

氏名作品名所属
新井 陽菜ポイすて は命をうばう菊川市立堀之内小4年

入選【小学生高学年の部】

氏名作品名所属
塩﨑 琥之介世界中の水問題静岡サレジオ小学校4年

最優秀賞【中学生の部】、ミダック未来賞

氏名作品名所属
中山 維吹水への恩返し静岡市立両河内小中9年

優秀賞【中学生の部】

氏名作品名所属
植田 彩花発展の保証常葉大学付属菊川中3年
尾崎 来実私の大好きな地球裾野市立裾野東中2年
長塚 柊磨奇跡の星 「地球」静岡市立西奈中1年

入選【中学生の部】

氏名作品名所属
杉浦 紗弥悪意はなくても静岡市立蒲原中1年
工藤 莉美見て見ぬふり藤枝市立高洲中2年
外村 和成この「地球」をよくするため に静岡市立由比中3年
望月 栞一人一人の行動藤枝市立高洲中2年
長野 向希「あのサンダルってどこいった?」静岡市立清水第六中1年
堀 明日馬虫取りで学んだ事静岡市立清水第六中2年
吉田 比菜自然・地球と の共存社会富士宮市立富士宮第三中1年
長谷川 心春小さな行動 大きな結果富士宮市立富士宮第三中3年

入選【小学校低学年の部】

「大石 しゅうや」

牧之原市立相良小学校2年

絵:静岡県立富士宮東高等学校 3年 川端沙奈

  ぼくは、ほとんどまい日、田んぼに行きます。雨の日がんばっていきます。晴れの日と雨の日の田んぼにいる生きものがちがうからです。ぼくは、雨の日にでてくる生きものがすきです。水スマシ、かえる、えび、どじょう、あかはらいもり、水がふえてでてきます。
  見つけられるととてもうれしいです。
  おとうさんが子どものときには、田んぼがたくさんあったそうです。今は、すこししかありません。おじいさんが一人でしごとをしています。おじいさんがやめたら田んぼはなくなってしまいます。いろいろな生きものにあえなくなってしまいます。ぼくは、かなしいです。おじいさんには、がんばって長く田んぼをつくってほしいです。ぼくも虫がすみやすいようにごみをすてないようにしていつまでも田んぼをきれいにしていきたいです。

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最優秀賞【小学生高学年の部】、潮出版社賞【本部賞】

「給食のストローをなくしたい!」

 袋井市立袋井東小学校6年生 坂田 和花奈

絵:常葉大学 2年 浦上 美咲

わたしは、四年生のとき、総合学習の時間で地球温暖化について学びました。そして、SDGsに興味をもち、自分にもできることはないかと思うようになりました。

 そして、色々と調べていくうちに、「ストローレス」という言葉を知り、給食で使っているストローがもったいないのではないか、と思うようになりました。わたしの小学校の全校生徒・約二百五十人、給食のある日を百八十七日だとすると、なんと、一年間に四万六千七百五十本使ってしまっていることになります。ストロー一本一グラムだとすると、一日に約二百五十グラム・一年間に四十六キログラムのゴミを減らすことができます。

 自主学習で、給食の牛乳をストローなしで飲む方法を色々考えてみました。パソコンで調べてみると、直接飲める牛乳パックを開発して、ストローレスの取り組みをしている学校があるということも知りました。私達の学校でもできないかと思い、給食室の先生にお手紙を書きました。しかし、四年生のときは何もみんなに知らせることができず、給食室の先生にも考えてみるね、と言われて終わってしまいました。

 それから、五年生になり、自主学習で「ストローレス新聞」を作ったら、先生が教室にけい示してくれました。そして、五年生終了まであと十三日というとき、「今日の給食でストローを使わずに牛乳を飲んでみよう」と先生が言ってくれました。わたしが提案した方法は、牛乳パックのはしっこをちょっと切ってコップにそそぐというやり方です。みんなの反応は様々でしたが、わたしはその日の牛乳がとても美味しく感じました。

 六年生になった今でも、先生の許可を得てストローを使わずに牛乳を飲んでいます。仲間もでき、今では、五人ほどになりました。

わたしのこの小さな取り組みが、日本中の学校に広がったらいいなと思います。わたしは今日も、牛乳パックのはしっこを切ってコップにそそいで飲んでいます。

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優秀賞【小学生高学年の部】

「ポイすて は命をうばう」

菊川市立堀之内小学校4年 新井 陽菜

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校 1年 保科蓮麗

  の住んでいる所は海の近くにある。海で遊ぶことは私の楽しみの一つだ。すなはまをはだしで歩き、貝を拾ったり、少し海に入ったりすると、モヤモヤしていた心がすっとする。海には、つりをしている人、サーフィンをしている人、昼ねをしている人、たくさんの人がいるけれど、みんなすっきりとした顔をしている。きっと海には人のモヤモヤやイライラをすい取ってくれる力があるのだろう。

  だけど、海に行ってモヤモヤしてしまうことが一つだけある。それは、ゴミがたくさん落ちていることだ。空きかん、ペットボトル、 ビニールぶくろ、ボールやバケツまである。 このゴミのほとんどが海ですてられた物ではない。当たり前だが、どこかでポイすてされ たゴミが勝手にゴミすて場に行くことはない。 風に飛ばされ、水に流され、最後に行き着く 場所が海なのだ。

  海のゴミは年々増え続けている。このまま のペースでふえると、二〇五〇年には、魚よりもプラスチックゴミの量が多くなってしまうと予想されている。魚よりもゴミがふえてしまったら、どうなってしまうのだろう。きっと私が海に行っても心は晴れなくなる。でも、それだけではない。三年生の時に聞いた話では、死んでしまったカメのおなかの中を調べたら、大量のプラスチックゴミが入っていたという。この話を聞いた時は「カメがかわいそう」とただ切ない気持ちになったけれど、今この話をふり返ると、カメだけの問題ではなく、他の魚にも言えることなのだろう。 海のゴミは、魚たちをころし、私たちの食たくから魚料理をうばってしまう。さらには、よごれた海で育った魚を食べることで、私たち人間の健康をうばってしまうかのうせいもある。

  私は今まで、ゴミのポイすてをしたことはない。それは、なんとなく自分の住んでいる 町や地球をよごしたくないという気持ちだった。だけどこの作文を書く中で、ゴミをポイすてしないことは、私たち人間が自分たちの 食たくや健康を守るために必要なことなのだと気づいた。

  ポイすてをしないために一人一人が出来ることはとてもかんたんなことだ。外で出たゴミは決められた場所ですてる、すてる場所がなかったら家に持ち帰る。マイバッグや水とうを持ち歩き、プラスチックゴミをへらすようにする。小学生の私でも、出来ることがたくさんある。これを地球に住むみんなが取り組み、二〇五〇年になっても魚たちが安心して住める海、私たちのモヤモヤした心を晴らしてくれるキレイな海であってほしいとねがっている。

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入選【小学生高学年の部】

「世界中の水問題」

静岡サレジオ小学校4年 塩﨑 琥之介

絵:静岡県立富士宮東高等学校 2年 深沢奈穂

  ぼくは、学校で水問題への取り組みを学びました。学校でも調べましたが、ぼくはもっと水問題について知りたかったので調べました。世界では自然環境の問題で水不足が起きています。地球は「水のわく星」と呼ばれています。でもどうしてこんなに世界で水問題が起こっているのかというと、地球上の水はほとんどが海水です。飲み水や農業、工業に使える川と湖の水は、地球上の水のわずか○ ・○一%。さらに世界の人口は今でもふえ続けているから水はたくさんひつようになっていきます。日本ではほとんどの家にトイレがあります。水道の水はいつも安全で下水もしょりされていてきれいです。でもこんなに好きなだけきれいな水が使える国は世界では少ないのです。世界中のなかには汚い水しか手に入らない小さな子どもや大人の命さえもう ばってしまう可能性がある国もあるそうです。不衛生な水で毎年二百万人以上が下痢性の病気で亡くなっています。主な原因は、ひどい衛生環境と安全でない水にあると考えられています。また、毎日八百人以上の子どもが亡くなっている現状があります。もう一つは、水運びが子どもの教育をうばうことです。家から何時間もかかる所に水を取りに行くのに運ぶのは安全ではない水です。生きるために安全でない水を運んで飲んでいる人が世界に八・四億人以上います。ぼくたちの住んでいる日本では安全できれいな水が自由に使えるけれど世界中にはこうして不衛生な水で命を おとしたり勉強する時間もなく水を運ばなければならない子どもたちがいることを知ってぼくたちがすごく恵まれているということをあらためて思いました。

  次にぼくは安全な水はどうやって作られるのかを調べました。安全な水を継続して利用するためには、水の「じゅんかん」を守る必要があります。まず森林で雨をためて地下水や湧き水にします。次にダムや川で雨や森から出る水をためたり、流したりします。その次は浄水場で水を取りきれいにします。そのあと上水道から地域の人たちにきれいな水を供給します。水を使ったあとは、下水道から下水処理場で有害物質を処理し海や川へ排水しています。ぼくはこの水の「じゅんかん」を見直して思ったことは世界中できれいで安全な水がなくて苦しんでいる人たちこの自由に水が使える「じゅんかん」が整びされたらいいと思います。水が自由に使える国ならそのぎじゅつで水のない国などをたすけることができるかもしれません。日本も「自由だから」と水をつかいすぎないで世界中で苦しんでいる人のことを考えて水をだしっぱにしたりしないなど節水に気をつけながら生活していきたいと思います。世界で水問題で苦しんでいる人たちにはやくきれいな水が届くといいなと思いました。

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最優秀賞【中学生の部】,ミダック未来賞

「水への恩返し」

静岡市立両河内小中学校9年 中山 維吹

絵:静岡県立富士宮東高等学校2年 井上心優

  私の住む両河内には興津川が流れている。興津川はこの地域に住む人にとってとても大切な川だ。この川の水は私達の生活に欠かせない生活用水になっているし、夏には暑さを凌ぐための拠り所にもなっている。冷たく透き通った水、川の中に入れば見えるたくさんの動物たち。私は生活の中にあるこの川が好きだ。だが川は、水は時として私達に牙を剥く。

  昨年の九月、台風一五号が私達の地域を襲った。雨は地面に強く打ち付け、川は勢いを増していった。そして台風が過ぎた両河内の光景は私の知っているものではなかった。あちこちで土砂崩れが起き、道は茶色に染まった。断水や停電が起き、各地でライフラインが途絶えた。橋が崩壊したり、家が倒壊してしまうなど、普段の生活を変えてしまうほどの被害もあった。今は両河内もほぼ元の姿に戻ったが、この出来事は私に水の力、恐ろしさを体感させた。

  このときの台風もそうであったが最近では通常とは異なった気象になる「異常気象」が起こることが多い。その原因として挙げられるのが地球温暖化だ。これによって降雨パターンが変化してしまうのだという。それを示すかのように今年の台風も異常な進路を取ったり、水温上昇によって強い勢力で上陸するなどした。外国ではとても大きな被害をもたらすことにもなった。

  この状況を作った地球温暖化が深刻化したのは人が生活を豊かにするためにした行動によって温室効果ガスが増えたのが原因だ。この状況が続いてしまったらさらに大きな被害が出てしまうかもしれない。

  これを止めるためにはまず自分たちがどのような状況にあるのかを知ることが大切だと思う。そして状況を知り、自分たちの生活をどのように変えれば温室効果ガスの削減につながるのかを考え、改善策を実行することが大切だと思った。

  私は台風一五号での経験から水が恐ろしい面も持つことを知った。それでも興津川は好きだ。川を、水を恐れるだけではなく、どのような関わり方をしていけばよいのかを考えて生活していくことが大切なのではないのだろうか。

  そして「私たちは自然に生かされている。」というのを忘れずに日々の生活を送りたい。地球温暖化を防ぐため、自然を無くさないために私にできる恩返しをしていきたい。

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優秀賞【中学生の部】、奨励賞【本部】

「発展の保証」

常葉大学付属菊川中学校3年 植田 彩花

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校 1年 佐藤明日香

  二人分のコップをテーブルに出す。並々の熱いお茶を、眼前の私はすぐに飲み干してしまった。私の前に座るこの人は、信じたくないけれど、紛れもなく未来の私だった。何でも、最新テクノロジーとやらで過去に飛んできたらしい。そんな目の前の私が言う。 「にしても、お茶が美味しい。懐かしい味だわあ。」

私は思わず、懐かしい味ってと聞き返してしまった。未来の私が笑って答える。

  「だって、もう未(こ)来(っち)じゃあこんなの作れないからさあ。こっちは飲み物とか全部総合栄養液だよ。あれまずいのにさあ。」

何でも、その総合なんとやらという液には人間が生きていくのに必要な栄養を全て詰め込んだ飲料物なんだと言う。未来ではそれまでの食料が全て栽培などできなくなってしまっ たので、そうしているのだとか。現代でも未来でも自然関連はロクなことになってないが、未来では雑草の一本すら生えないほど土壌管理されているらしいので、未来よりはまだマシなのかもしれない。かく言うこの土地も、 今ではゴミだらけで町中腐臭まみれだ。

「なのに、カラスは少ないね。」

未来の私が尋ねてくる。

「ほとんど死んじゃったからなあ。」

というか、未来から来ているのにそんなことも知らないのかと苦笑した。でも確かに、生まれて初めてそんな事を意識したかもしれない。未来の私に、他にどんな動物がいなくなったかきかれたので調べてみると、ゴリラ、コアラ、ラッコ、ウサギ、カブトガニ、マグロなんかも絶滅していた。詳しい種類は知らないが。結構減ったねえと画面を見つめる。

温いお茶を一口すすると、まだこの星でやっていけるような心地がした。無論このお茶も、農薬まみれで本当は飲めたものではないが。

  ふと、未来の私が空を見上げた。つられて 見ると、空は黒色に染まっていた。時計は十八時を指している。予報だと、この後はたしか雨が降る。

「流石にこの服には耐性ないし、体が溶けたらまずいから」

そうして、未来の私はまた遊びに来るとつけ加えてから帰っていった。私は私が残して帰ったコップを、手袋をつけた手で洗いながら、 来年最初の日が訪れるのを待っていた。カウントダウンは始まっていて、すぐに次の年の日が来た。これで今日から晴れて二〇三九年だ。生憎お天気は酸性雨だが。来年になってもオリンピックもないし、きっと今年も特にすることはない。そこで私は思いついた。

「移星保険、入っておこうかな。」

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優秀賞【中学生の部】

「私の大好きな地球」

裾野市立裾野東中学校2年 尾崎 来実

絵:静岡県立清水南高等学校 1年 松下日香莉

毎日休まずに回る地球
たくさんのいのちを乗せて
ゆっくりゆっくり 回り続ける
そんな地球に伝えたい
「いつもありがとう」

丸くて大きな地球
私達を 優しく見守ってくれる
私達を 温かく応援してくれる
実は一番 近いところで
まるで地球は 大きなお父さん

たくさんのいのちを育む地球
いくつもの奇跡が重なり合って
私も生まれてきた
今日もまた 新しいいのちが生まれる
まるで地球は 大きなお母さん

そんな地球を  私達は傷付けている
空気を汚して
水を汚して
森を壊して
地球の大事なものを  奪っている
地球だって  きっと嫌がっている
話せないけど  私達に伝えている
温暖化が進んだり
異常気象が続いたり
これはきっと 地球からのメッセージ

だから  私はそのメッセージを受け取る
決して目をそらさない
そして私は 地球にメッセージを送る
「地球を守りたい」
この気持ちを伝えるためにも

宇宙にたった一つの地球
唯一無二の存在
そんな地球を私は傷付けた
心の底から伝えたい
「今までごめんなさい」

私達の大好きな地球に
この思い 伝わるといいな
「これからもよろしくね」
「大好きだよ」

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優秀賞【中学生の部】

「奇跡の星 「地球」」

静岡市立西奈中学校1年 長塚 柊磨

絵:静岡県立清水南高等学校1年 中村鳳華

  私たちがいつも飲んでいる水。一面に広がる青い海。私たちには見えない、生きるために必要な空気。緑色に輝き、人々に癒しを与える自然。それらすべてを兼ね備えた、奇跡の星「地球。」今日も、明日も、毎日当たり前のように人々はこの星で生きる。でも、今この地球では様々な問題をかかえている。海が汚染され、自然が世界各地で次々に破壊され、 地球ではどんどん温暖化が進んでいく。私たちが見てきた美しい自然、海、環境が失われつつある。
  しかし、だからこそ、自分は何をするべきか、どうしたら解決するか考えなければいけない。この「奇跡の星」に生まれた私たちも、 「奇跡」なのだ。私たちじゃなきゃ出来ないこともある。現在、地球で起きている五つの環境問題。私たちの当たり前がおびやかされつつある。温暖化、汚染、森林破壊。私たち は一体、何をするべきなのか。この問題は、 一人では解決できない。この地球にすむ一人一人の行動が大切となる。たった一度の節水、 節電でも変わる。たった一つの工夫で変わる。 たった一つのゴミを、リサイクルするだけで、 海を守れる。魚が死なずにすむ。たった一センチ、一ミリだけでもいい。その、ほんの少しだけで、世界を変えれるのだ。五つの環境問題は、今もどんどん進行している。解決はとても難しい。しかし、この地球に住む一人一人が努力をすることで、世界が変わる。地球を救う。必ず解決することを願っている。 奇跡の星、地球を守るために。
  私たちは、奇跡の中を生きている。宇宙ができた奇跡、地球が生まれた奇跡、森林や海ができた奇跡。奇跡に奇跡が重なってできたこの地球で生きている。こんなにすごい星は、 他にはきっと無いだろう。だからこそ、この美しい環境を守り抜かなければいけないのだ。 奇跡の中で出来た一分、そして一秒を大切に して、環境問題とは何か、何をすべきかを考え、実行する。それで少しでも、この地球がきれいになってほしい。最高の環境を作り上げてほしいと、心から願っている。

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入選【中学生の部】

「悪意はなくても」

静岡市立蒲原中学校1年 杉浦 紗弥

絵:常葉大学3年 石田安佑

   「松明たいてきて。」

お盆中に家族から言われたこの言葉。私の家のお盆では毎年十三、十四、十五日の三日間にお墓と家の前で松明を燃やします。十三日は先祖を迎えるための迎え火、十四日は無縁 霊や諸霊を招くための中火、十五日の最終日にはお見送りをするための送り火をします。そこで毎年当たり前のように燃やしているこの松明は、森林伐採の影響にならないのか、また燃やしたら二酸化炭素は排出されないのかと考えるようになりました。

   まずは松明に使用されている木材について調べてみました。松の木の樹脂の多い部分を使っていることが分かりました。さらに、間伐材といって間伐の過程で出てきた余分な木材を使用していることが分かりました。また、間伐を行わずに過密なまま放置すると樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になってしまいます。残った樹木が成長することにより、木材の価値も高くなるので間伐は重要な役割を果たしています。

   こうして採られた間伐材の用途は松明の他に建築材や木炭、バイオマス燃料や文房具、ペット用品として色々な道で使われています。調べた結果を見て私は、SDGsの十五番の陸の豊かさも守ろうという目標に似ているなと思いました。このことから松明に使用されている木材は、森林伐採や環境破壊ではないということがわかりました。

   では、松明を燃やした際に二酸化炭素は排出されるのかという疑問について調べました。松明は、先端部分にある乾いた布に油を染みこませているそうです。またそれを燃やしたときには、熱で油が分解されてガスになります。木材でできているので燃やしたときには煙が出て、二酸化炭素も排出されます。またガスになっているので環境にはあまりよくありません。このことから松明を燃やすという行為は地球温暖化に影響してしまうということがわかりました。

   母から聞いた話では、千葉だとお盆の時期には松明ではなく、お墓から家までの道角にお線香を置いていくという文化があるそうです。ご先祖様が迷わないように角々に差しておくそうです。この方法なら一回の量だと松明より二酸化炭素の量が少ないし、松明に使われていた間伐材も他のものにあてることができるので道角にお線香を置いていくのはいいと思います。

   お盆期間に新しい発見がありました。いつもやっていること、当たり前のようにしていることをもう一度考え直すことが大切なのだと感じました。そして、地球温暖化が進まないことを私は願っています。

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入選【中学生の部】

「見て見ぬふり」

藤枝市立高洲中学校2年 工藤 莉美

絵:静岡県立清水南高等学校1年 小林音葉

  「静岡の海は綺麗だ」❘そう思っていた。 しかし、私は現実を知ってしまったのだ。

  今年のゴールデンウィークに、母と静波海水浴場に出かけた。海は家族連れやカップルで賑わっていた。久しぶりに海へ行き、自然の美しさを感じた。しかし車に乗り込もうとしたとき、私は目を疑った。砂浜に大量の空き缶や、プラスチック製のトレーが捨てられていたのだ。中には変形していたものも、一部が埋まっているものもあった。相当な期間放置されていたのだろう。私は戸惑いつつも、何もすることができなかった。

  ゴミを拾うべきだということは分かっていても、周囲からの視線が気になり拾えなかった。周りの人も、その放置されたゴミを見ては見ぬふりをし、そのまま通り過ぎていく。 海洋汚染や海へのゴミ放棄が扱われているニュース番組などを確かに目にしたことはあったが、そんなにひどくはないだろう、大丈夫だろうと楽観視していた部分が大きかったのだ。海岸に捨てられたゴミを見たときにすぐに考えることはできなかったが、海から去ってから、ゴミを拾わなかった自分になんだかモヤモヤしていた。

  もしそのゴミが海の中に入って、魚が食べてしまったら?粉々になって、海全体がもっと汚れてしまったら?そう考えるごとに後悔が大きくなっていく。その魚は死んでしまうのかもしれない。負の連鎖が広がり、海中の生物が少なくなってしまうのかもしれない。

  それから二か月ほどが経ったある日、学校の家庭科の時間に話し合いをした。私に振り分けられた問題が、なんと「プラスチックごみ問題」だったのだ。ヒントカードには、網に絡まったウミガメや、海岸に打ち上げられたゴミなどの写真が印刷されていた。私はそのカードを見て、ゴールデンウィークの静波の海を思い出してしまった。危機感がもっと 強くなった。

  私も含め、「良くないことだ」と分かっていても全くゴミを拾わない人たち。そして、 「少しぐらいならいい」と考え、海岸に平気でゴミを捨てる人たち。それは、海を壊し、 奇跡の星である地球を壊している人たちだ。

  「誰かが拾ってくれるだろう」という他人事のような考えを多くの人が持っているから、 誰も拾わずにゴミだけが蓄積され、自分たちの生活まで壊されていく。海に限らず、道路や水田などでもそうだ。

  自分の環境への意識が十分とは到底言えないものだったのだと自覚した。どの生物も傷つかずに暮らせるように、一人の地球の住民として意識を高めていきたい。そして、日頃から地球への影響を考えて生活していきたい、そう強く思った。

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入選【中学生の部】

「この「地球」をよくするために」

静岡市立由比中学校3年 望月 栞

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校1年 安仲和柔

  あなたは「海洋汚染」や「森林破壊」などについて考えたことはありますか。私は今まであまり考えたことがありませんでした。私が生活している中で関係の無いことだと思っていたからです。しかしそれは違いました。

  私は先日美術の授業で環境問題についてのポスターを作りました。私は「海洋汚染」をテーマにしました。そのためにまず、何が「 海洋汚染」の原因なのかについて調べてみました。その原因は海洋ゴミです。どのような海洋ゴミがあるかというとペットボトルや、マイクロプラスチック、食品トレー、ビニール袋、空き瓶などがあり、自然に還ることができない石油製品が多いことを知りました。 そしてそれが海の生態系をこわしていることも知りました。私の住んでいる地域は駿河湾に面しています。今までそんなに関係ないと思っていたことがとても身近に感じました。 又、ただ授業の課題だからと適当に選んでいた自分はとても愚かだなと思いました。だから私はそのポスターを仕上げる際、少しでも海洋ゴミの深刻さに気づいて貰えるように表現しました。そして海洋ゴミを少なくするために自分にできることは何か考えてみました。 ゴミの分別、リサイクル、ゴミ拾いやなるべく出先ではペットボトルの飲み物を買わないなど私にもできることがありました。これらを続けていくことで救われる海の生き物が増えると良いなと思います。

  「海洋汚染」のことを考えるうちに私はもっと身近な環境問題があることに気づきました。それは「森林破壊」です。私の家は山に囲まれています。だから「森林破壊」とはとても関係ないようなところに思えますがそれは違います。よく「森は海の恋人」と聞きますよね。これは豊かな海や川を取り戻すためには豊かな森が必要ということを表しています。一度人間が踏み込んだ山なのならば、そ の山の手入れをし続けないと「森林破壊」に繋がり、豊かな海を取り戻せなくなります。 だからこの地域の山を守っていくことが大切だと思います。

  「海洋汚染」と「森林破壊」について考えてみて思ったことが二つあります。一つ目は、 私たちが変わっていかないと環境問題はなくならないということです。ボランティアの力で地域を綺麗にするのではなく、元々ゴミを外に捨てないことや山の草木を適度に手入れすることなどが大切になってくると思います。 二つ目は、今ある環境問題に目を背けないことです。環境は「海洋汚染」や「森林破壊」 だけではありません。

  「地球温暖化」や「大気汚染」などまだまだあります。だからそれを改善するためにできる行動を自分で考えていく必要があるからです。

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入選【中学生の部】

「一人一人の行動」

藤枝市立高洲中学校2年 外村 和成

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校1年 安仲和柔

  一人一人にできることはなんだろう。

  人はなにげなく海で採れた魚や貝を食べてきました。しかし近いうちにそれが出来なくなるかもしれません。

  六年生の総合の授業の中で「SDGs」について学びました。一人一人が気になる項目を選び、問題を説明し、自分のできることを考えパワーポイントでまとめたものを紹介しあいました。そのなかである生徒が「海の豊かさを守ろう」という課題について紹介していました。それはウミガメが人の捨てたビニール袋をクラゲや海藻と間違い飲みこんでしまい、消化されないプラごみが内臓を傷つけたりして、ウミガメの健康に重大な被害をもたらす可能性があるというものでした。僕はこの事を知って、ウミガメがこんなことにならないように人にできることはないのかと思いました。

  その年の夏休み、漁師の仕事をしている祖父が久しぶりに船に乗って釣りに連れていってくれました。船で沖まで行くと船酔いして頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりするので誘われると行くかどうか少し迷います。 でも、沖での釣りは大きい魚がかかるので面白いです。その日の港の水は茶色くて汚かったけれど、沖にでると少しずつきれいになり光を反射し輝いて見えました。しかしそこにはビニール袋や発泡スチロールなどがただよっていました。

  その日はタイなどが釣れ大漁でした。えさにはオキアミを使いました。オキアミはサクラエビに似ています。それで僕はサクラエビ漁をしていた祖父がなぜやめてしまったのか疑問に思い聞いてみました。聞いてみるとサクラエビが漁場からいなくなってしまったということでした。その原因は川で砂利をとることによって水が濁り、その濁った水が海に 出て水中に光が届かなくなり、プランクトン がいなくなったそうです。えさのなくなったサクラエビはプランクトンがいる遠くの海へ移動してしまったということだと説明してくれました。なので、漁へ出る船も減ってしまい祖父は漁を辞めたそうです。

  世界中にはこのような問題がまだまだたくさんあると思います。このままいままで通りの生活をしていたら魚の姿が見えない海になってしまい、いままで通り魚や貝を食べられなくなるかもしれない。汚れた海では泳げないようになってしまうかもしれない。

  この現状を良くするためには一人一人の行動が大切だと思う。例えば「ごみをちゃんとごみ箱に捨てる」このようなあたりまえの小さな行動が海を守るために一番大切だと思う。 一人では小さく簡単だと思えることも世界中の人たちが心がければ環境は変わっていくと思う。そして、ウミガメやサクラエビの生きやすい海を守っていきたい。

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入選【中学生の部】

「あのサンダルってどこいった?」

静岡市立清水第六中学校1年 長野 向希

絵:静岡市立清水第六中学校

  僕は、小さいころ海で遊んでいたら、片足のサンダルが海に流されてしまったことがある。取りに行こうとしても、すぐサンダルが水に飲まれてどこかへ行ってしまった。その時、初めて海が怖いと感じたのを今でも覚えている。

  「あのサンダル、今どこで何をしているんだろう?」

  この作文を書きながらそう思う。未だに海で 泳いでいるのかも知れないし、どこか遠い国 の砂浜にポツンと立っているのかも知れない。 それならまだ大問題ではない。しかし、魚に 食べられてしまっていたら大問題だ。なぜな ら、今、海のゴミ問題が深刻化しているから だ。海のゴミ問題とは、主に海洋プラスチッ クゴミが、海洋汚染や生態系に問題を起こす ことだ。だから、僕はその問題の共犯者にな ってしまったのかも知れない。それは一周ま わって人間の身体にも影響してくる可能性も あるため、危険だ。でも僕は知っている。小 学三年生の時に行った三保の松原で世界には、 美しい海があるということを。しかし、それ を自分達の手でこわしてしまいそうなのだ。 まさにそれは、僕がやってしまったことで、 無意識にやっている人がたくさんいると思う。 この問題がこのまま続けば、二〇五〇年には 海のゴミが魚の量を上回るといわれている。 それは、たった一つのサンダル、たった一枚 の袋、たった一本のペットボトルが積み重な って起こっていることだということを忘れな いようにしたい。これらを世界中のみんなが 意識すればSDGsの十四番

  「海の豊かさを守ろう」 を達成することができると思う。僕は、その ために、ゴミの量をなるべく減らせるように 努力したい。そして、みんなでこのきれいで 美しい自然、海、地球を守れるようになる。 そして最後。地球に二言。

  「いつもありがとう。そして、これからもよろしく。」

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入選【中学生の部】

「虫取りで学んだ事」

静岡市立清水第六中学校2年 堀 明日馬

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校1年 伊藤勇翔

  僕はとても虫が好きです。なので、小さい頃から親と一緒に虫取りに行きました。その中で僕は、自然の楽しさ、広さ、怖さ、悲しさを体験することができました。

  僕の虫取りは、身の周りのバッタやダンゴムシ、セミを取ることから始まりました。僕の家の周りには、小さいながらも草原や、近くの団地には数本の桜の木があり、この頃の僕には十分過ぎる程の遊び場でした。虫を探していると、すごく大きいバッタや、他のとは違う色のセミ、大きくてキレイな蝶など、 毎日新しい発見をして、新しい発見をする喜びや楽しさがわかるようになってきました。 小学三年生くらいになると、山にキャンプに行くようになりました。僕は、そこでも虫を探しました。するとそこには、見た事無い形、 見た事無い模様、見た事無い色、聞いた事無い鳴き声、の虫がいて、僕の全く知らない世 界が広がっていて、自分がまだほんの少しの自然しか知らなくて、自然はもっと広い世界なのだということを知りました。小学五年生くらいの頃、お父さんとカブトムシのトラップを山奥に仕掛けて、夜中にトラップに来たカブトムシを捕まえようとした事があります。 夜中、トラップを見に行ったらいない所もあったけれど、ちょくちょく捕まえることもできました。トラップを周って行く内に何かに噛みちぎられたトラップがありました。そこで僕は、この森には獣が居る事を確信し、とても怖くなりました。その後、ラストのトラップを見に行ったらとてもたくさんのカブトムシを見つけました。僕とお父さんはここが真夜中の暗い森だということも忘れるくらい喜びました。ウキウキでカブトムシを集めていたら、三メートル横を、イノシシくらいの大きさの獣がとてつもないスピードで走っていきました。その瞬間ここが獣のナワバリだということを思い出しました。自然は楽しいだけでは無く、牙をむく一面もあるのだとわかりました。今年、キャンプに行くと、見た事が無いけれど、かっこいい虫を見つけました。家に帰ってから調べると、「ゴホンダイコクコガネ」というフンコロガシの仲間でした。 この虫は、福岡県等の一部の県では絶滅危惧種とされていることもわかりました。僕はこの事を知った時、珍しい虫を見つけた嬉しさと共に、この虫と二度と会え無くなるかもしれないと思い悲しくなりました。

  「自然」というのは、僕に、小さい頃から楽しさや、嬉しさ、美しさ、この世界の広さ、 時には怖さも教えてくれていた教科書です。 その自然が今、徐々に失われていることに気が付きました。僕は、どうしたらこの「偉大な自然」を守って行けるのかを考えながら生きていきたいです。

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入選【中学生の部】

「自然・地球との共存社会」

富士宮市立富士宮第三中学校1年 吉田 比菜

絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校1年 伊藤勇翔

  私たち人間が生きていくために必要な地球 のきれいな水、空気、木などの自然。これか らもずっと守っていきたいと思っています。

  しかし守れないのが人間です。二〇二三年 全世界は、水質や大気の汚染、海のプラスチック問題、森林破壊、砂漠化、という数えきれないほどの問題をかかえています。

  特に最近被害が大きいのが、森林破壊です。

  森林は水を蓄え、きれいにすることや、地球温暖化を防ぐこと以外にも、空気の浄化やレクリエーションの場として広く活用されています。森林は、海をきれいにしたり、キノコや山菜など食材の生産などをしてくれたりするので、必要ですが、住宅地を作ることによって森林が壊されていきます。

  最近、通っていた小学校の近くに気になることがありました。それは、森にソーラーパ ネルを設置するということです。私もソーラーパネルを設置するなら地球にやさしいと思いました。しかし、木がたくさん生えていた所を全て切られてしまったのです。友達が、

  「あんなに木を切るならソーラーパネルは建てなくも良いね。」

と言いました。ソーラーパネルを作るのは良いことでも木は切りすぎではないかと思いました。ソーラーパネルはあってほしいけど、木をそのままにしたいと私は思い、考えました。

  そこで思いついたのが、「共存」です。人と自然が共存していれば自然を守りながら人も楽しく生きられると思ったからです。たとえば、お茶畑の上につくられたソーラーパネルやグリーンカーテン、ビオトープなど他にも共存の方法はたくさんあります。ビオトープとは、失われた生態系を復元し、そこに生物が生きていけるようにした所です。最近で はその数は増えてきています。海では、海草 の藻場(アマモ場)を増やす活動も行っているようです。このように無理なく活動を続けて行けば、自然が増え、地球温暖化から日本や世界、地球を救うことができるのではないかと思います。ただし共存だけでは食い止められません。自分たちの努力も少しは必要です。たとえば、電気は使わない時は消す、車ではなく歩きや公共交通機関を使うなど工夫はたくさんあり、今からでもすぐ実行できることもあります。まず、今の地球のことを考え、身の周りの自然や生態系を見ることが一番大切だと私は思います。

  これからは私も、ただ見ているだけではなく、自分たちにしかできないことや、考え方をしたり、地球の今おかされている問題について考えていきたいです。学校の地域学習の時間でも地域のことを知り環境保全に役立てたいです。そして百年後、今よりもっと人と自然に優しい社会が作られていてほしいです。

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入選【中学生の部】

「小さな行動 大きな結果」

富士宮市立富士宮第三中学校3年 長谷川 心春

絵:常葉大学3年 関岡花々子

  私たちの学校では、英語の授業で「End angered Animals in Japan」というテーマで、日本の絶滅危惧種を英語で紹介する文を書きました。そのときに私は、「日本にはこんなにも多くの絶滅危惧種がいるんだ。」ととても驚きました。ラッコ・レッサーパンダ ・マレーバク・シロサイなど、私たちに馴染みのある動物たちもその中の一つでした。

  具体的な数字が気になり調べてみると、環境省のHPに、「我が国の絶滅危惧種は三,七七二種」とありました。この、三,七七二という数字は、私にとってあまりにも衝撃的な数字で、驚きと同時に悲しみがありました。 さらに、世界全体の絶滅危惧種の数は、WWFジャパンによると、一四万七,五一七種もいるそうです。

  こんなにも多くの動物たちが絶滅の危機に直面している原因はたくさんありますが、主な原因は五つです。それは、「地球温暖化による気候変動」「外来種による悪影響」「乱獲」「土地開発による森林伐採や埋め立て」

「土地や海の汚染」です。驚くことに、これら全ての原因は人間の行動に関係しています。 つまり、私たちの行動を改めれば、絶滅危惧種の増加をおさえ、生命であふれる豊かな地球を実現できるということです。もちろん、 全ての原因が人間であるということではないので、もしかすると、私たちが行動をしたと ころで効果は薄いかもしれません。しかし、 これらの原因が、マインドマップのように、他の様々な問題とつながっているとしたらどうでしょう。実際、原因の一つである地球温暖化は、生物絶滅の原因の他にも、気温上昇 ・災害・食糧危機などの原因ともされています。このことを踏まえると、私は「自分の小さな行動でも、大きな結果が出るのではないか。」と思いました。

  そこで、私は実際にどのような行動をとれ ばいいのか考えてみました。

  いくつか考えた中で一番いいと思ったものを紹介します。それは、日々の暮らしにエコを取り入れることです。これは、地球温暖化と土地や海の汚染の二つの原因を同時に解決できます。現在、世界全体で環境問題に立ち向かっています。日本もその中の一つです。 商品やエネルギーなど、たくさんの人がエコについて考え、意見や形として世の中に発信しています。私はそれを、積極的に使っていこうと思います。私のような一人の中学生にできることは少なく、限られています。しかし、だからこそ、他人の力を借り、限界をなくすことが最も重要だと思います。さらに、 「日々の暮らしにエコを取り入れる」という ことは、始めやすく長く続けることができます。そして、将来的にその問題を解決できると信じています。私は、日々の暮らしにエコ を取り入れることで、世界を良い方向に動かす一人になりたいです。

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単行本「地球さんご賞作品集2024」

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