2023年

2023年度八女実行委員会表彰式及び作品

これからの未来を担っていく小・中学生皆さんに、地球環境について文章を書くことで、命や地球環境の現在と未来、大切さを考えてほしい、という願いから「地球さんご賞」は、昨年度始まりました。第二回目の今回、昨年度より五百名以上も多い二千三名の小・中学生の皆さんに、作品募集に応募していただき、ありがとうございました。作品募集に取り込んでいただいた皆さん、お世話頂いた各教育員会と各学校の先生方のご協力に感謝申し上げます。
寄せられた作品の中から五十二作品を選出・表彰し作品集として編集・発行しました。入賞された皆さん、おめでとうございます。私たち人類にとってかけがえない地球の自然や環境について、体験、感動、考え、行動、社会への提言を多くの作品から読み取ることができました。

〜地球さんご賞八女委員会会長 加藤 哲英様のご挨拶から〜



受賞作品

※受賞者名をクリックするとその作文に移動します。

九州沖縄地区さんご賞大賞

氏名作品名所属
重留 悠吾僕には見えない世界都城泉ヶ丘高等学校附属中1年

九州沖縄地区さんご賞準大賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
入部 爽大自然に生きる八女市立岡山小6年

九州沖縄地区さんご賞準大賞

氏名作品名所属
中村 瑠里水を守りたい ただそれだけ明光学園中2年

福岡県知事賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
月足 匠心きれいな水のやべ村八女市矢部清流学園2年

うみまる賞(三池海上保安部長賞)

氏名作品名所属
嵩西 小夏私達の宝物豊見城市立豊見城中3年

八女市長賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
有田 茜拾われたゴミ、澄みわたる空八女学院中1年

八女市教育長賞、選考委員特別賞【本部】

氏名作品名所属
原田 芽佳他人ごと輝翔館中等教育学校3年

八女市議会議長賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
松本 くるみ本当のかっこいいって輝翔館中等教育学校2年

大木町教育長賞

氏名作品名所属
松竹 慶太地球を守るために今できること大木町立木佐木小4年

久留米市長賞

氏名作品名所属
小嶋 未來ふるさとへの思い久留米市立城南中3年

久留米市教育長賞、川井郁子賞【本部】

氏名作品名所属
倉重 祥帆少女が知らない海の底久留米市立城南中1年

筑後市教育長賞

氏名作品名所属
白石 結真大切なもの筑後市立西牟田小3年

みやま市長賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
大久保 紗菜ホタルの光みやま市立東山中3年

柳川市長賞、奨励賞【本部】

氏名作品名所属
平田 有紗ぼく達の海の中柳川市立豊原小5年

柳川市教育長賞、みらい賞【本部】

氏名作品名所属
福永 明日香海の安全柳川市立三橋中2年

矢部川漁業協同組合長賞

氏名作品名所属
田中 音色大切な有明海柳川市立皿垣小4年

福岡八女農業協同組合長賞

氏名作品名所属
古賀 陽大マリーゴールドのひみつ八女市立福島小4年

福岡県八女森林組合長賞

氏名作品名所属
川島 有結天然のクーラー八女市立福島小4年

奨励賞

氏名作品名所属
杉本 明佳里ほたるを見に行ったよ大木町立大溝小1年
堤 桜めだかの学校のかいと大木町立大溝小4年
運天 祐哉かけがえのない海を守るため豊見城市立豊見城中1年
玉城 蘭地球温暖化豊見城市立豊見城中3年
山口 夢彩沖縄のサンゴを守る豊見城市立豊見城中3年
山田 彩乃知ることから始めよう久留米市立城南中1年
蘭 穂香美しい未来を届けよう筑後市立西牟田小6年
山下 惺愛地球にやさしく広川町立下広川小2年
松山 柚乃花Water of Africa
【本部「奨励賞」を受賞しています。】
都城泉ヶ丘高等学校附属中3年
林 杏奈い場所がない動物みやま市立高田小3年
荒木 陽太自然柳川市立東宮永小1年
本園 真菜あつすぎた夏柳川市立蒲池小2年
田島 陸大地球温暖化柳川市立豊原小6年
古賀 桜子環境問題と向き合う私柳川市立三橋中2年
石井 沙娃良色とりどりのゴミ
【幻冬舎賞を受賞しています。】
八女市立川崎小2年
軸丸 央晴いろんな生きもの見つけたよ八女市立福島小2年
栗原 愛佳いつまでもきれいな矢部川に八女市矢部清流学園4年
中島 天翔ぼくのピーマン八女市立福島小4年
佐藤 穏季「まあいっか。」の一言が八女市立福島小6年
芳賀 正宗きっとあなたも調べたくなる輝翔館中等教育学校1年
伊藤 咲耶ある夢の話です八女学院中1年
松本 幸陽「ほんの少し」は何ですか。輝翔館中等教育学校1年
中島 怜胤イメージで語る環境問題
【本部「奨励賞」を受賞しています。】
八女学院中2年
松尾 実果子自然災害から学ぶ八女市立黒木中2年
末永 麻紋止まらない地球温暖化輝翔館中等教育学校2年
吉田 百花塵も積もれば山となる輝翔館中等教育学校2年
緒方 美咲僕と町八女学院中2年
牛島 蘭菜僕の足元八女学院中学校2年
江嶋 優乙エアコン問題八女学院中学校2年
西田 仁胡水と世界八女学院中3年
平井 萌生大雨と生きる輝翔館中等教育学校3年
今村 優井堀のありがたさ
【本部「奨励賞」を受賞しています。】
八女学院中3年
溝江 季來環境について輝翔館中等教育学校3年
井波 鈴奈近未来輝翔館中等教育学校3年

九州沖縄地区さんご賞大賞

「僕には見えない世界」

宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校附属中学校1年 重留 悠吾

絵:豊増 彩華

  学校の池からペットボトルで汲んできた泥水をコップに移し、スポイトで吸い取る。スライドガラスに一滴落とす。この時間がカップラーメンを待つくらい待ちきれなくなる。丁寧に顕微鏡にセットし準備が整った。接眼レンズを覗きながら調節ねじを回していく。一瞬の時を見計らって手を止めるとぼやけていた物が色鮮やかになって見えてきた。

  「円形の植物プランクトンか。あっ、イタチ
  ムシの仲間も数えきれないくらいいるぞ。
  植物プランクトンを食べているな。」

  僕がいつも遊ぶ場所に池があった。小学校では昼休みにみんなと池の周りでおにごっこをしたり、おたまじゃくしやアメンボを観察したりしていた。その池には二、三回足をつっこんで靴をぬらしたこともあった。僕にとって池はとても身近な存在だった。

  三年生の夏、池の水には何か住んでいないのかが気になりペットボトルに汲んでみた。何かまぎれていないかと興奮しながら見ていたが、泥が沈んでいくだけだった。残念だったので泥の中を見つめていたときだ。

  「あっ、何か動いた!」
最初はゴミかと思ったが、しっかり動き回っているのだ。よくよく見ると他にも同じようなものが数匹見えた。詳しく見るために家の顕微鏡で観察することにした。これが、僕がプランクトンを知るきっかけとなった。

  家で、実際に顕微鏡で見てみると、そこには楕円形の胴体にしっぽと触覚が生えたような形で一つの赤い目、エビのような甲羅をまとったエイリアンのような生き物がいた。調べてみるとケンミジンコというらしい。

  それからは池に限らず川や海でもプランクトンネットを使って探した。その結果、貝のような形とつくりをしたカイミジンコや腹が大きいオカメミジンコ、更には卵をもったケンミジンコなどたくさんのプランクトンを見つけることができた。その度に、命の力強さを感じた。

  地球にはさまざまな生き物が暮らしている。人間は他の生き物の力を借りないと生きていけないし、その生き物のためにも環境はよりよくしていかないといけないはずだ。しかし最近は環境破壊という言葉ばかり聞く。僕はこの言葉を聞くとプランクトンたちのことを思い出す。どんなに小さくとも、食物連鎖の一番下であっても一生懸命に生きていた。また、植物プランクトンは酸素を放出する役割も担っているし、石油を生み出すプランクトンも発見されたそうだ。プランクトンは可能性に満ちた生き物なのだ。僕は、目では見えない世界から生物は互いにつながっていて、その命はみな等しく力強いということを学んだ。僕はこれからもミクロの世界に興味や関心をもち続け、温室効果ガスの増加といった環境が壊されることをくい止めて、生物多様性を守り続けていきたい。

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九州沖縄地区さんご賞準大賞、奨励賞【本部】

「大自然に生きる」

八女市立岡山小学校6年 入部 爽

絵:宇美 拓哉

  ぼくは、屋久島の大きな杉の木。みんなはぼくのことを「屋久杉」と呼んでいる。人々が森のめぐみである木の実や山菜、きのこなどの植物をとって食べていたころ。縄文と呼ばれる時代に生まれたんだ。そこから二千年以上…ぼくは、時代の移り変わりを見つめながら、大きくなってきたよ。

  この前、八女からはるばると、小学生のそうくんがやってきた。なんと、九州最高峰の宮之浦岳登頂を目指すという。初めての屋久島はどうだったかな。そうくんは、ぼくの大きさや力強さに感動してくれた。ぼくはただ立っているだけなのに、そうくんを感動させることができたんだ。他にも、地上では、南の島でさくような花がさいているのに、高い山の上では北海道に生息しているような植物を見ることができることにおどろいていたよ。日本の美しい自然が、ここ屋久島にはたくさんつまっているんだよ。

  でも最近、その自然がかわってきたんだ。屋久島が世界自然遺産に登録されてから、人がたくさん来るようになって、ぼくの周りがにぎやかになったんだ。ぼくたちに会いに来てくれるのはとってもうれしい。だけど、ちょっと心配していることがあるんだよ。たくさんの足音や声が聞こえてくるようになって、ぼくやぼくの大切な仲間の命がおびやかされているんだ。

  だからぼくは、そうくんに伝えたいことがある。自然を大切にしてほしいってこと。きれいな空気や水、たくさんの生きものたち。みんな、ぼくの大切な仲間なんだよ。だから、ゴミを捨てるときはちゃんとゴミ箱に捨て、木や花を大事にすることを忘れないでほしい。ぼくの森を訪れるときは、足元の命たちにも目を向けてほしいんだ。花之江河は湿原が広がっていたよね。ここには、ミズゴケやコケスミレ、ヤクシマシャクナゲなど、ここでしか見られないたくさんの命が輝いているんだ。この命も大切にしてほしい。自然を楽しむことと、自然を守ることは、どちらもおなじくらいとても大切なことなんだよ。

  宮之浦岳を目指していたそうくんは、悪天候で頂上まで行くことができなかったらしい。とても悔しそうにしていたよ。だけど、

 「来年また会いにくるから。それまで元気にしていてね。」

と言って、屋久島を去ったんだ。

  これからもずっとぼくはここにいて、みんなを迎える準備をしているよ。どんな時でもぼくは変わらずにここでみんなを見守っているから。ぼくは、ぼくをほこりに思っている。屋久杉であること、大自然の中で生きていることを。だから、みんなで大切にしていこう。過去から未来へとつながるこの大自然のめぐみを。

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九州沖縄地区さんご賞準大賞、奨励賞【本部】

「水を守りたい ただそれだけ」

明光学園中学校2年 中村 瑠里

絵:矢沢 自明

  私たちに欠かせない水。人間の体はほとんど水でできていると言っても過言ではない。そして、人間は水がなくては五日も生きていけない。人間にとって、水を失うことは死を意味するのだ。

  水が必要なのは、人間だけではない。魚はもちろん、他の動物たちも、植物たちも、水によって生かされていると言って良いだろう。

  しかし、そんな水が今、汚染されている。原因は産業排水や生活排水、地球温暖化などさまざまだが、どれも人間の行動に問題がある。つまり、人間にとって欠かせない水を、人間の手によって汚染させているのだ。水質汚染による影響を受けるのは、人間だけではない。魚、動物、植物、それらはなんの罪もないのに、欠かせない水を、すなわち命を、奪われようとしている。

  夏休みに、私は電車に乗って福岡市に行った。普段、私は電車通学をしているとはいえ、都会の人混みをなめてはいけない。いつもの電車とは比べものにならないくらい人が多く、電車を降りた時にはとても疲れていた。元気を振り絞って歩いていると、とあるものを見つけた。水のオブジェだ。そこの近くは、周りに比べて涼しく感じた。きれいな水に、水が流れる音に、私は安らぎを感じた。疲れは一瞬にして吹き飛んだ。

  そのとき思った。ああ、こんなに簡単なことなんだ、と。

  水質汚染の問題は深刻で、一生懸命解決の手立てが講じられている。

  でも、本当はそんなに難しいことではないのではないだろうか。難しく考えてしまうとどうしても他人事のように感じてしまう。一生懸命考えているつもりでも、どこかで関係ないやと思ってしまう自分がいる。

  だから、もっと簡単に考えてみてはどうだろうか。きれいな水を見ると、心もきれいになるような気がする。川を流れる水の音を聞くと、なんだか落ちつく。周りの山々を映す美しい湖を見ると、感動する。きっと、誰もがそんな経験を持っていると思う。それを、もっと大切にしてみてはどうだろう。心をきれいにして落ち着かせられる場所を、感動できる景色を守ること。それは、意外と簡単なことではないだろうか。

  水を守りたい、ただそれだけ。難しく考える必要はない。落ち着く場所を、感動できる景色を守りたいという気持ちさえあれば、水をもっと大切にすることができるのではないだろうか。

  簡単なことなのに、私たちは普段それを忘れてしまっていると思う。ぜひ一度、見つめ直してみてほしい。水によって安らぐ心を。

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福岡県知事賞,奨励賞【本部】

「きれいな水のやべ村」

福岡県八女市立矢部清流学園2年 月足 匠心

絵:市丸 美奈子

  「ぼく、ホウネンエビのえをかいたよ。」
と、おかあさんに話しました。
「えっなに、それ。」
と、おかあさんが聞きました。
「田うえのときに見たよ。」
と言いました。おかあさんは、ホウネンエビを知らないなんてびっくりしました。

 「目がとっても小ちゃいよ。エビはとう
  明なんだけど、しっぽだけ赤くなってるよ。
  エビはほそ長いはっぱみたいだよ。」

と、話しました。おかあさんは、
「田んぼにそんかエビがおるなら見たいな。」
と、言いました。アメンボやおたまじゃくしやカエルさんたちしか思い出せなかったようでした。

 「ホウネンエビは、
  きれいな水の田んぼにしかいませんよ。
  と、先生が言ってあったよ。」

と、おかあさんに話したら、
「そうね、やべ村の水はきれいかもんね。」
と言っていました。ぼくは、夏休み、おかあさんから、
「川に行くよ。」
と言われて、たくさんやべ川に行きました。やべ村の川は、すごく水がすきとおっているので、川のそこの石ころたちがよく見えます。ぼくは、石のコレクションをはじめました。十一こぐらいあつめました。はのように白い石があったので、うれしかったです。

  夏休みがおわって、先生が
「ホウネンエビをかいたえが賞に入ったよ。」
と、言われました。それをきいて、うれしかったし、かいてよかったなあと思いました。

  これからも田うえのときに見たホウネンエビのことはずっと大人になるまでおぼえておこうと思います。

  やべ村の水がきれいだから、ホウネンエビを田うえのとき見ることができてよかったです。いねかりのときはホウネンエビはいるのかな。いねの中に入っているのかな。

  水がきれいなやべ村大すきです。

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うみまる賞(三池海上保安部長賞)

「私達の宝物」

豊見城市立豊見城中学校3年 嵩西 小夏

絵:平賀 敬太郎

  「私達の住んでいる沖縄県は綺麗で透き通った海に囲まれている。その海にはたくさんの種類のサンゴが住み沖縄の美しい海をよりいっそう華やかにしている。

  小さい頃からよく海に行く私は、シュノーケリングをしたりお父さんと一緒に水上バイクにのってサンゴ礁を見に行くことがあった。その頃にはサンゴ礁が一つ一つとてもカラフルで小さい魚がサンゴの周りで楽しそうに泳いでいるよう感じた。だが、今サンゴ礁を見に行くと、以前の様な一つ一つ色が違うカラフルな〝宝石〟の姿は薄れていてところどころ白くなっていたのだ。それにオニヒトデというサンゴを好んで食べるというヒトデも見られた。

  私は、そのサンゴの異変からなぜサンゴがそのようなことになっているか調べてみることにした。調べてみると主な原因は三つあることが分かった。

  まず一つ目は、地球温暖化による海水温の上昇。海水温が上昇することで移動する事が難しいサンゴは温度変化に耐えられず白化してしまうことが分かった。

  次に二つ目は、気候変動や異常気象による台風の巨大化。台風の巨大化によって高波が生まれ、それと共に波圧や流速が増大するためサンゴが根本から折れ、破壊されると分かった。

  最後に三つ目は、地域的なストレス。サンゴを食べサンゴの死滅をもたらすオニヒトデなどの食害生物の増加や、海洋汚染などの影響で海の透明度が低下し、それが長期にわたって続くと光量不足によりサンゴの成長が阻害されてしまうと分かった。

  調べてみて、サンゴの白化には地球温暖化や気候変動などの環境問題が深く関わっていると分かった。

  そして、サンゴの白化の原因からサンゴがなくなってしまうと私達や環境にどのような影響があたえられるのかについて調べてみた。すると、サンゴがなくなってしまうとサンゴ礁にすむ生物やその生物を食べる生物も姿を消してしまい、生態系バランスが崩れてしまったり、私達にとっては漁業資源が失われてしまうという私達や環境にまで大きな影響があると知った。
これらのことから、私は、今サンゴのおかれている状況などについて理解することができた。私もサンゴの白化を少しでも止めるために、主な原因で挙げられていた海水汚染からSDGsの目標十四、海の豊かさを守ろうにつなげて、ゴミをポイ捨てしない、ポイ捨てされていたら拾い、サンゴの成長を阻害するのを防ぐと同時に海水汚染と地球温暖化の問題に向き合っていきたいと思う。

  沖縄県の綺麗な海やサンゴという海を守る宝石を守り続けていくのは、私達にしかできないことなのだ。だから、これからも大切にしていきたい。

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八女市長賞、奨励賞【本部】

「拾われたゴミ、すみわたる空」

八女学院中学校1年 有田 茜

絵:豊増 彩華

  「あ、ゴミどうしよ。」
暑い夏の日、仲の良い友達と遊んでいた時、ゴミ箱が近くになくて、お菓子のゴミを手に余していた。ゴミがあるのは自分だけで、友達には申し訳ないけど、コンビニにでも寄って捨てさせてもらおうかな、と思っていた。
「めんどいし、ここに捨ててけば。」
「え、でもそれポイ捨てじゃ……。」
「いいじゃん別に。誰か拾ってくれるでしょ。」
「……そう、かな。」
本当は、ポイ捨てとか、したくないんだけど。でも、わざわざコンビニ寄るのも悪いし。やっぱり捨てよう。一回だけ、だから。

  心の中で、言い訳はいくつも浮かんできた。理性はだめだとうったえるけれど、たくさんの感情と口実が許していいと言う。板挟み、と言うには言い訳の方に軍配が上がりすぎていて、私は結局友達に言われた通りポイ捨てをした。ポイ捨てはあまりに呆気なくて、捨てられたゴミに何かを感じた訳ではなかったけど、どこかモヤモヤとした気分が私にまとわりついた。
「さ、行こ。」
「……うん。」
それから友達と遊んでいる間、私はずっと後ろ指を指されているような気分だった。

  別の日。ポイ捨てをした時とは別の友達と遊んでいると、道端に捨てられたゴミを見つけた。ふと、あの日のことが浮かぶ。どこか居たたまれなくて、私はちょっと早足でそこを通り過ぎようとした。

  その時、友達はゴミの前にかがんだ。そして、捨てられたゴミを、まるで普通のことかのように拾った。
「拾う、の。」
「うん。私、こういう捨てられたゴミ、いつも拾ってゴミ箱に捨ててるんだ。」
瞬間、頭の中であの日のことがフラッシュバックした。友達に悪い、とか、一回だけ、とか、そんなことばかり考えていた。けれど、それって本当は『友達のため』とか、そんなご立派なものに見えるだけの自分の浅はかさだったんじゃないか。本当にあれは『友達のため』のことだったのか。

  きっと違う。あれは私の自分への甘えだ。
「……変、かな。」
「ううん、ううん。そんなことないよ。変なんかじゃない。ねえ、私にも手伝わせて。」
友達は少し目を見開いて、けれどすぐにうんと言ってくれた。

  結局、その日遊んだ時間の半分はゴミ拾いになったけれど、私の心は今まで友達と遊んだどの日よりもすみわたっていた。あの日まとわりついてきたモヤモヤはもうどこにもいない。私は晴れやかな気持ちで空を見上げた。見上げた空は雲一つない、きれいな朱色の空だった。

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八女市教育長賞、選考委員特別賞【本部】

「他人ごと」

輝翔館中等教育学校3年 原田 芽佳

絵:田中 貴久子

  窓の外で雨が降っている。今日は平日だが休校だ。外に出なくて良い。だから、外に出ることさえしなければ、横なぶりの雨も、慌れ狂う風も、鳴り響く雷でさえ他人ごとだ。そう、思っていた。

  「おかけになった番号はー。」
翌日、親友と連絡が取れなくなった。雨はより一層勢いを強めている。きっとこの雨のせいだ。ラインの既読もつかないし、電話だって繋がらない。他の友達も、その子と連絡がつかず、クラスのグループラインで騒ぎ始めた。焦って、二階からリビングにいる母に大声で聞いた。母も連絡がつかないという。心の中で黒いモヤが広がっていく。その瞬間、母が見ていたニュースに速報が入った。親友の家が、完全に水没していた。

  サァッと血の気が引いたのは自分でも分かった。と同時に、黒いモヤが全身を一瞬で駆け抜けた。手足がカタカタと震える。母も画面を見て固まっていた。静まりかえった部屋に、ニュースの音声と雨の音が響いている。そして、その音は徐々に小さくなって消え、それと同時に記憶もプツンと消えた。

  どのくらいたっただろう。部屋はカーテンが閉まっていて、薄暗い。窓の外では、雨が降っていて、とても時間が進んでいるとは思えない。私はリビングのソファーで寝ていた。隣のテーブルの上には私のスマホと一枚の置き手紙が置いてあった。立ち上がってパチンと電気をつけ、その手紙に目を落とした。

  「○○ちゃんはさっき救助されたって。ウチが無事で安全だからしばらく○○ちゃん一家はウチで過ごします。今から、避難所に迎えに行ってくるね。家でお留守番しててね。母より」

母からだった。読み終えて、ふと、母も流されたらどうしよう、と変に汗をかいたが、それも杞憂に終わった。玄関の扉が開き、皆が安堵の表情を見せたからだ。私はすぐさま皆んなに抱きついた。雨で濡れているなんて、関係なかった。

  親友が風呂から上がって、リビングでゆっくりしていると、スマホがピロンッと鳴った。見ると、クラスラインの通知が七十八まで膨れ上がっていて、皆口々に呟いていた。

「明日も休校かなー?」
「えー、休校がいい~。」
「それな!雨もっと降れー。」
「やば笑。まあ私も同意だけど~笑。」

休校がいい、もっと雨降れ、雨乞いしよう。そんなノリが、なんだか辛い。親友は、タオルを強く握り、唇を噛んで震えていた。私達の気持ちは置き去りに、会話はどんどん弾んだ。私は見ていられなくて、すっとスマホを下ろした。

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八女市議会議長賞、奨励賞【本部】

「本当のかっこいいって」

輝翔館中等教育学校2年 松本 くるみ

絵:蓮尾 睦子

  七人のクラスメイトで浜辺でバーベキューをした日の事だった。女の子は私を含めて五人、男の子は二人居た。

  丁度バーベキューの準備が終わったころだ。ハルカちゃんが袋から豚肉を取り、網の上に乗せて焼き始めた。
皆はお肉が焼ける音を聴いて歓声を上げた。もちろん私もそう。それから、私が紙皿を用意しようとしたら、
先程ハルカちゃんが豚肉を取り出した後のビニール袋が砂の上に落ちていたのだ

「ハルカちゃん、ビニール袋落ちてるよ。」

私がそう伝えると、

「ああ、別に良いよ。」

と返された。良くはないと思う。でも、もしかしたら後から拾うからという意味なのかもしれないと思い、気にせずに紙皿を用意していた。

  あれから数十分経った。バーベキューの火は消え、私達の周辺は橙に染まり始めていた。

「いっぱい食べたね。そろそろ片付け始めようか。」

と、一緒に居たアカリちゃんが皆に声をかけた。

(そういえば、ハルカちゃん、ちゃんと袋拾ったのかな。)

ふとさっきのビニール袋を思い出した。確認してみると、さっきのビニール袋はまだ拾われずにそのまま置いてあった。それだけじゃない、その後焼いた牛肉や野菜の袋も置いてあった。きっと今から片付けるんだよね、そう信じた。だけど、この前見たカメがビニール袋を食べて亡くなったというニュースを思い出して、少し心配になった。大丈夫かな、と考えていると、何も言わずに袋を回収した人が居た。それは私でもハルカちゃんでもなく、ナオトくんという男の子だった。素直にかっこいいと思った。少女漫画みたいな胸キュンとかそういう意ではなく、人間性としての意味で。ナオトくんは袋を一つにまとめてから、その後も何も言わずに別の場所の片付けを手伝っていた。何で人間性がかっこいいと思ったかと聞かれても、正直何となくとしか答えることが出来ない。

「片付けも終わったし、そろそろ帰ろうか。」
袋については何も気にしていない様子のハルカちゃんは、やっぱりごみを持って帰る気は無かったんだと思う。バーベキューをしていた場所ら辺は一つもごみが落ちていないから気持ち良く感じた。ナオトくんがかっこよく思えたのは、自分だけではなく他の人の事もちゃんと考えて、それも誰かに褒められるためじゃなくて、自分が大切だと思う事をしっかり出来る人だからなのかもしれない。それに、人だけでは無く、他の生き物を守る事にもつながるからなおさらかっこよく感じたんだろうと思った。あの時、まだ置いてあった袋を見て、私も拾えば良かったと少し後悔したけれど、私もこんな人になりたいという明確な目標が出来て良かった。

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大木町教育長賞

「地球を守るために今できること」

大木町立木佐木小学校4年 松竹 慶太

絵:坂田 美雪

  夏休みに入って、お母さんと朝散歩をしていると、歩道にいろいろなゴミが落ちていました。たばこの吸いがら、おかしのゴミ、洗剤のボトル、ペットボトル、ポップコーンが入ったままの袋など、たくさんのゴミが落ちていました。ぼくは、とても悲しい気持ちになりました。また、ゴミの中には、マヨネーズの容器もありました。その容器は、鳥が外がわのプラスチックをかみちぎったあとがあり、ぼくは中身と一緒にプラスチックも食べてしまったかもしれないと思って、心配になりました。

  捨てられたゴミを見て、ぼくはゴミについて調べてみることにしました。地球のゴミについて調べると、ゴミはいろいろな所に落ちていることが分かりました。例えば、深い海の底、登山の途中の山道、宇宙にまでゴミはあるそうです。中でも、海のゴミが動物にえいきょうを与えると知って悲しくなりました。ウミガメなどは、海藻やクラゲをエサにするので、プラスチックの袋をエサと間ちがえて食べてしまい、臓器をきずつけたり、エサを食べることができず痩せ衰えたりします。また、毎年、プラスチックゴミで百万羽の海鳥、十万匹の海棲哺乳類、ウミガメ、無数の魚が亡くなっているといわれています。ゴミに化学物質、油などが入っていると、大量の魚が死んだり、サイズが小さくなったり、産卵場所が確保できず量がへってしまうということが分かりました。

  そこで、ゴミをへらすために家でできることを調べました。食材は使い切れる分だけ購入する、レジ袋をもらわず、マイエコバックを使う、使い捨ての物は使わずに詰め替えの物を利用する、ゴミの分別をてっていする、生ゴミは庭などにまいてたい肥にするなどいろいろ取り組めることがあります。ぼくは、もっとゴミについて知りたいと思ったので、ぼくの住んでいる町の環境学習会に行きました。大木循環センターでは、生ゴミをメタン菌で発酵させて、エネルギーやえき肥などに変えていることを知りました。

  ぼくは、ゴミについて学び、今自分にできることを考えました。まず、朝散歩をする時に、ゴミ拾いをすることにしました。ゴミを拾うことで、道路がきれいになり、気持ちが良くなりました。ゴミ拾いをしていると、散歩をしていた方から

「お疲れ様です。」

と言われて、とてもうれしい気持ちになりました。

  ぼくは、小さな取り組みでも、一人一人が取り組めばもっとゴミをへらせると思います。人間は、資源を地球からもらって生きています。みんな協力して、きれいな地球を守りたいと思います。

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久留米市長賞

「ふるさとへの思い」

久留米市立城南中学校3年 小嶋 未來

絵:陶山 高義

  今年の七月十日、私の住む福岡県久留米市を記録的な豪雨が襲いました。六月末から大雨が続いており九日の深夜には線状降水帯が発生し、河川や用水路が氾濫し、市の全域が冠水している状態で辺り一面が湖のようでした。テレビでは、全国放送で伝えられており深刻な状況であることが一瞬でわかりました。特に被害の大きかった田主丸では土砂崩れが発生し、大量の土石流が町を飲み込みました。祖父母が住んでいる家も近くを流れる巨瀬川が決壊し、床下浸水に見舞われました。翌日心配した両親と行ってみると、道路には土や泥が山積みとなり茶色に染まり、いたる所から泥臭い匂いがしていました。横転し泥に埋まった自動車、流れてきた木や石などに押し潰された家、道か川か区別がつかない様な道路など普段とは全く違う状況に衝撃をうけました。テレビで見ていた以上の光景に自然の凄まじい脅威を感じました。

  祖父母の家は緑に囲まれたとても静かな所にあります。今の時期は昼はセミ、夜は蛙の鳴き声が聞こえてきます。母が小さい頃は蛍もいたそうです。小さい頃に遊びに行くと犬を連れてよく散歩に行ったことを覚えています。耳納山が屏風のように連なり、ふもとには、JRの久大本線が通っています。春は菜の花が咲き、

夏の時期は緑の稲が青々と育っています。秋はその稲が黄金の実をつけ、紅葉が彩り、冬は雪がちらちら舞う日もあり、その中を走る七ツ星列車は、ため息が出るほどの絶景です。

  数年前より筑後は毎年のように水害が起こっています。筑後平野を潤してくれる恵みの雨は、ここ数年、農地や農作物に壊滅的な被害をもたらすものになっている印象です。「記録的な豪雨」や「過去に例をみない」
「早めの避難を」などニュースで耳にする機会が増えました。忘れた頃にやって来る災害が毎年のようにやってきているのです。祖父母は
「これから台風シーズンが心配だ。」
と言います。私は、毎年の様に豪雨や台風で休校になる日が多くなっている様に感じます。また、気温や水温が上昇し、夏は猛暑日が増え異常気象が当たり前の感覚になってしまっています。

  国連は「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代が到来した。」と警鐘を鳴らしています。私達に何ができるのだろうか。ハザードマップの活用、災害に強いまちづくりや農作物の品種改良。それでは沸騰化している地球への対応策にしかならないのでないか。勿論それはとてもとても重要なことですが、この町だけでなく四季を感じる美しい日本という国が続くように、大人やこれから大人になる私達が常に関心をもち、考えそれを行動に移し、そして実行することが私達ができる地球への恩返しになるのではないかと思います。

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久留米市教育長賞、川井郁子賞【本部】

「少女が知らない海の底」

久留米市立城南中学校1年 倉重 祥帆

絵:猿渡 由衣

  こんにちは。ぼくはサンゴ。名前はないよ。ぼくは、ここから動くことが出来ない。いつもぼくのまわりには、たくさんの魚達が泳いでいる。その魚達は、ぼくの知らない世界をたくさん教えてくれるんだ。特にウミガメさんは、いつも面白い話をたくさんしてくれる。たとえば、広い海にぼくの知らないような生き物たちが楽しそうに住んでいて、自分も少し入れてもらい一緒に遊んだ話。「人」っていう見たことのない大きい生きものに会った話。ドキドキしたり、元気になったりする話をウミガメさんはいつもしてくれる。ぼくもいつか行ってみたいなって思ってる。だけど今の生活も楽しいよ。ぼくのまわりには、ベラの家族が住んでいてぼくをたくさん頼ってくれる。ぼくの知らないことを教えてくれるウミガメさんも、ぼくを頼ってくれるベラの家族も、皆々、きっとぼくの知らない生き物たちも、やさしいんだろうなといつも思っている。明日はどんな日になるだろう。どんな話がきけるだろう。きっと、きっと楽しいんだろうな。

  水が温かくなってきた。これが夏ってやつなのかな。このごろ魚達が、ぼくのまわりをあまり泳いでいない。泳いでいる魚達も、どこか元気がない気がするよ。この前そのことをベラの家族に聞いてみた。

「ねぇ、なんでみんな元気がないの。」

「それはね、このごろ海の水が温かくなっているの。いつもこの時期はあついけど、今年は特にね。」

「ああ、それに私達の食べるものの中に危険な物がまじっていることがあるからなんだ。」

「危険なもの?」

ぼくは驚いてきき返した。

「うん。なんだかいろんな色だったり、キラキラしてたりするから、つい食べたくなっちゃうんだ。でもこの前おじいちゃんが、それを食べて動かなくなっちゃったの。」

確かにすこし前からキラキラしたものが流れていたなと思った。でもだれが、そんなものを流しているんだろう?

  それから季節がながれた。秋になったのに水はあまり冷たく感じない。前よりも魚がもっと少なくなった。ぼくの仲間の何人かはだんだんしゃべらなくなって、どんどん白くなっていった。ぼくもいつかは、ああなってしまうのかな?と思うと少し怖くなった。仲間は皆白くなり、魚達はいなくなって気付いたらぼくの周りは寂しくなっていた。

  冬になった。最近ぼくは具合が悪い。今日は久しぶりにウミガメさんに会った。その時に

「きみ、なんだか白くなったね。」

と言われた。やっぱりぼくも皆と同じようになっているんだ。ウミガメさんがぼくの横をり過ぎた。その時ぼくの体の欠片がポロリと
落ちた。

  波打ち際に打ち上げられたサンゴの欠片を少女が拾い、ニコリと笑ってつぶやいた。
「海の中にいるお魚たちは、どんなふうに暮らしているんだろう。」

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筑後市教育長賞

「大切なもの」

筑後市立西牟田小学校3年 白石 結真

絵:坂田 愛

  わたしのおじいちゃんの家はくま本県にあります。家のすぐ近くには、川やおじいちゃんの田んぼがあります。昨年の五月には田うえの手つだいをしたり、川で遊んだりしました。おたまじゃくしや小さいめだかがいました。秋になるとお米ができてわたしたち家族が食べる分もたくさんとれました。

  しかし、今年は田うえができませんでした。なぜならば、今年の田うえの前にごう雨で川がはんらんして田んぼに岩や木のえだ、砂利などがながれこんで、田んぼがつかえなくなってしまったからです。今年はお米を作れない年になってしまってざんねんに思いました。

  また、川の水がにごってしまって生き物が少なくなってしまいました。夏になると毎年おじいちゃんが川でアユをつってくれていたけれど、今年は一ぴきもつれていません。川の水しつがかわってしまってアユがもどってこれなくなると、とてもかなしいです。

  このままあつい夏が長く続いたり、なんども大雨やごう雨が続いたりすると、今まであたり前にできていた田うえや川遊び、アユづりなどができなくなってしまいます。もしかしたら、おじいちゃんの家のまわりがちがう風けいになってしまうかもしれません。

  そうなる前にわたしにできる事はなんだろうと考えてみました。今のわたしにできる事は、緑を大切にしたり、木を大切にする事や、川をきれいにしたりする事です。小さな事でも続ける事がきれいな川を守る事につながるので、この事を守りたいです。そして、また田うえや川遊び、アユづりができる夏を楽しみにしています。

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みやま市長賞、奨励賞【本部】

「ホタルの光」

みやま市立東山中学校3年 大久保 紗菜

絵:近藤 日子

  「ほう、ほう、ほーたる来い。」

私の祖父母の家は、私の家から車で十分ほどのところにある。そばには小さな川が流れていて、そのすぐ裏手には山がある。夜になると辺りは静かで、真っ暗だ。毎年六月初め頃、数日間だけその川にホタルが現れる。

  空が薄暗くなり始めると、バタバタと夕食とお風呂を済ませ、縁側に座布団を持って、部屋中の電気を消してスタンバイ。ゲームもユーチューブもこの日はいらない。いつもは野球中継を見ている祖父もテレビを消してくれる。ホタルはとても繊細で、明るい場所が苦手なため、静かに明かりを消して待つ必要があるのだ。準備万端。

「まだかな。まだかな。」
このわくわくもたまらない。静けさの中に光の点滅が現れる。
「いた。」
思わす叫んでしまいそうな衝動を押し殺す。また別の一つが光る。次々に光が現れる。言葉を発する人は誰もいない。じっと、静かにホタルたちの会話を見守る。とても贅沢で至福の時間だ。

  今では、その光は数えることができるほどに減ってしまったけれど、私の母が子供のころは、もっと多くの光に溢れていたそうだ。川の側でしか見られない光も、以前は庭にも迷い込むほどだったらしい。想像するだけでワクワクが止まらない。

  ホタルが住むこの川も、最近は夏になると記録的な大雨で、毎年、山の土砂や木々が流れ込んでくる。私が見てきたこの十数年だけでも、ホタルの数は年々減ってきているように感じる。

  水中や土中で約十か月間過ごし、成虫になったホタルが野外で光輝きながら飛び回れるのはたった一週間限り。

  すべての生き物や環境は、生態系の中で、密接につながり、強く影響し合っている。

  私はもう十五歳。この光を守るために、自分本位の生活を改め、責任をもって行動しなければならない。

  「あっちのみーずは、にーがいぞ。

    こっちのみーずは、あーまいぞ。

    ほう、ほう、ほーたるこい。」

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柳川市長賞、奨励賞【本部】

「ぼく達の海の中」

柳川市立豊原小学校5年 平田 有紗

絵:中園 唯

  目が覚めた。今日もぼくは急いで、広い広い海の真ん中へ行く。そして、

「おはよう。海様、今日は何をすればいいですか。」

と聞く。海様は、

「おはようカクレクマノミ。今日も、あの陸からきたゴミ達でこまっている魚たちを助けてやれ。」

とひびくような、きびしい声で言った。ぼくはその場をすっと後にした。そして見回りをはじめた。そこらじゅうに陸からきたゴミが落ちている。十分ほど泳ぐと小さな子ども魚がこまった顔をしていた。話を聞くと、いつも遊んでいるサンゴ広場にとう明のふくろがからまっていると言った。見に行ってみるとぼく一人の力ではどうしようもないくらいの大きさだった。ひっぱってみても全くとれない。ぼくは二キロほどはなれた穴にすんでいる力もちの魚たちにたのみに行った。そしてサンゴにからまっていたゴミを動かしてもらった。魚たちはとてもつかれた様子だった。しかし子ども魚のよろこぶ顔をみて安心していた。ぼくは往復四キロ泳いだもんだからヘトヘトだった。でもこの海のためだと思いまた泳ぎ出した。しばらくすると、とても大きなたくさんの魚の声が聞こえてきた。行ってみるとそれは魚のおそうしきだった。亡くなったのは食いしんぼうで有名なぼくの友達だった。いつものようにごはんを食べていたそうだが、その中にあったプラスチックをのみこんでしまい亡くなったそうだ。ぼくは泣いた。くやしかった。陸の上のだれがゴミをすてたんだとずっと考えていた。友達がいなくなったんだ。ぼくは力をなくして海様がいる海の真ん中へ行った。ぼくは泣きながら海様に話した。海様は、

「いつか陸の人達がゴミをすてなくなればいいのにな。そうすれば、みんな幸せにくらせるのにな。」

とさびしそうに言った。ぼくは家に帰って、ずっと亡くなった友達との思い出を考えていた。そして、おねがいだからぼくたちの海を大切にしてくださいと心の中で強く願った。

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柳川市教育長賞、みらい賞【本部】

「海の安全」

柳川市立三橋中学校2年 福永 明日香

絵:山下 ハイジ

  みなさんは、北朝鮮のミサイルが日本のEEZ内に落下したとき、どんなことを思いますか。

 「陸に落ちなくてよかった。」
と思う人がほとんどだと思います。これが私の問題視していきたいことです。もちろん、陸に落ちなかったのは安心すべきことです。ですが、ミサイルは海に落ちています。陸に落ちなくてよかったで済むでしょうか。

  この前、SNSを使っていると、ある投稿が目に入ってきました。それは有名な方が
 「これ以上私たち日本のたいせつな自然とたいせつな心を壊さないで‼」
と投稿しているものでした。その日は五年前の九月ミサイルが日本海に落とされた日でした。コメントをみていると

「海はミサイルを捨てる場所じゃない。」

という言葉を見つけました。私はこの言葉を見つけたとき、確かにと思いました。そこから、ミサイルが海に落ちた時の生物の被害、環境への影響などについて調べるようになりました。

  まず、ミサイルに使われる毒性の強い二つについて説明します。
一つ目は、「ジメチルヒドラジン」というミサイルの燃料に使われるものです。この物質は皮膚に付くだけでただれてしまうほど猛毒です。そしてその致死量0´一ミリグラムと言われています。

  2つ目は、「赤煙硝酸」という燃料が燃えるための酸化剤に使われているものです。この物質も毒性が強く、海洋への悪影響の原因になっています。

  この二つによって環境への影響があることは分かるでしょう。ですが、これを問題として捉えている人が少ないです。それにこの話がニュースなどのメディアに取り上げられることがないに等しいです。だからミサイルが海に落ちた時、大半の人が、

 「陸に落ちなくてよかった。」

と思ってしまうのです。この問題は大々的に取り上げ、世界規模でもっと考えるべきものだと思います。

  今、私たちが大切にしていくものとして、環境が挙げられます。特に自然環境は、今、そして未来の私たちが生きるために必要な基盤となっています。地球の自然豊かな未来のため、そして、私たちの豊かな未来のために、このことに興味を持ち、陸に落ちなくてよかったで済むことじゃないと問題視する人が増えることを願っています。

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矢部川漁業協同組合長賞

「大切な有明海」

柳川市立皿垣小学校4年 田中 音色

絵:吉本 暢子

  私のおじいさんは有明海で海苔のようしょくを五十五年間しています。

  九月からじゅんびをはじめて、おおよそ四月までお仕事は続きます。海にはるアミを固定するために柱をたてます。おおよそ三千本~三千五百本ほどたてるそうです。約十mから十二mの柱を一本ずつ手でさしていきます。その作業はとても力がいり、大変みたいです。その後も沢山のじゅんびをして十二月くらいにようやくのびてきたのりをちぎります。沢山の大変なじゅんびをして寒い時期に雪がふっても、風が強くても、大雨でも、とっても寒くても朝昼晩のりをちぎります。でも今年は沢山のじゅんびをしてきたのにのりをちぎる事が出来ませんでした。例年の半分くらいの雨の少なさだそうです。海苔が育つのに必要な川から流れてくる栄養分が足りなかった事だそうです。お天気の日が続いた事で植物プランクトンが多く発生してしまい、ただでさえ少なかった栄養をプランクトンが食べてしまい海苔は栄養がとれなかったみたいです。沢山のじゅんびをしましたが海苔がとれなくておじいさんはとても悲しそうでした。

  「五十五年間海苔のようしょくをやってきて、こんなふうにのりがちぎれなかったのははじめてだよ。」

  と言っていました。昔とくらべると雨がふる量がちがったり、あたたかい日が多かったりしているんだと思いました。

  地球温だん化と聞いた事はありました。おじいさんの話を聞いて、もっとこれからの私達の未来がよくなるように、おじいさんが悲しい思いをしないでいいように、私にできる小さな事でも少しずつやっていこうと思いました。

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福岡八女農業協同組合長賞

「マリーゴールドのひみつ」

八女市立福島小学校4年 古賀 陽大

絵:垣外 波瑠香

  「あっ、マリーゴールドだ。」

お母さんが、マリーゴールドをお店から買ってきてくれました。ぼくは、ひまわりの種のように花びらが多いマリーゴールドの花が大好きです。

  マリーゴールドを植えて二週間がたったころ、たねが出てきました。そのたねを植えようとしたら、お母さんが、
「たねは、ひなたに植えなさい。」
と、言いました。しかし、ぼくは、日かげに植えたらどうなるのだろうと、思いました。そこで、日なたと日かげの両方に植えて観察することにしました。

  ぼくの予想では、日なたのたねは、芽が出て、日かげのたねは芽が出ないと思いました。

  一ヶ月後、芽が出たのは日なたに植えた種だけではなく、日かげに植えた種も芽が出ていました。さらに一ヶ月たったころ、葉っぱが青々としげってきました。そのとき、日かげに植えてもよかったのかと思いました。

  さらに、その二か月後、日なたに植えたマリーゴールドには、つぼみができていました。しかし、日かげに植えたマリーゴールドにはつぼみがありません。一ヶ月たってもつぼみはありませんでした。

  そこで、タブレットで調べてみました。そこには、日かげに植えたら花が咲かないと書いてありました。

  ぼくたちが、きれいなマリーゴールドの花を見続けるためには、日なたに植えてあげないといけないのです。お母さんの言葉が本当だったなと思います。日かげに植えたマリーゴールドにあやまります。ごめんね。

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福岡県八女森林組合長賞

「天然のクーラー」

八女市立福島小学校4年 川島 有結

絵:藤井 芳裕

  わたしは、ある真夏の日にお母さんとお父さんとわたしの家族全員で森林に行きました。お父さんから

「森林は面白い事があるよ。」

と教えてもらったので楽しみにして行ってみると、すごくすずしくて楽しかったです。

  しかし、なぜ森林はすずしいのか不思議に思いました。わたしの予想は、葉が日差しをさえぎってすずしくなっているのだと思います。もしくは、本当はもともとすずしいけど、太陽のせいで森林いがいの場所が暑くなっているのではないかと考えました。

  その事を調べてみました。すると、植物には根からすい上げた水を葉から外に出す働きがあり、水分が葉から外に出ていくときに周りの熱をうばうため、空気の温度が下がり、すずしく感じられる事が分かりました。また、木のえだや葉によって日かげになり、地面があたためられずにすむため、空気の温度もあまり上がらずにすみます。夏の森林の中は、外とくらべて気温が五、六度低くなる事もあり、森林は、「天然のクーラー」とよばれている事が分かりました。

  わたしは、調べてよかったなと思いました。葉の中に水分があるのを初めて知ったし、五、六度も温度が低くなることもびっくりしました。だから、森林でくらしている虫や生き物も生活しやすいだろうなと思いました。また分からない事があったら、進んで学習したいと思いました。また森林に行きたいです。

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